工場の電気代を削減する7つの方法
「工場の電気代を下げたいけれど、生産量や品質は落とせない」 「電力契約を見直したいが、何を比較すればよいかわからない」。 そんなお悩みはありませんか。
電気代の見直しは、設備の買い替えだけではありません。 契約条件の比較や、使っていない設備の運転状況の確認など、 まず検討できることがあります。
この記事では、千葉県内の中小企業や工場の経営者・担当者に向けて、 電気代を削減する7つの方法を紹介します。 安全・品質・生産性を守りながら、自社に合う対策を選びましょう。
まずは「使用量・ピーク電力・契約」の3つを確認
電気代が高くなる理由は、工場によって異なります。 対策を選ぶ前に、次の3つを分けて確認すると、 見直すポイントを整理しやすくなります。
- 使用量(kWh): 使った電気の量。不要な運転や設備のロスを見直します。
- ピーク電力(kW): 電力使用が集中する時間帯の大きさ。同時に動かす設備を確認します。
- 契約・料金条件: 基本料金、電力量料金、調整額など。 単価だけでなく支払総額を比較します。
料金に燃料費や市場価格の変動を反映する契約や、 最大需要電力が契約電力に影響する契約もあります。 まずは現在の明細・契約条件を確認しましょう。 [1] [3]
1.電力会社・料金プランを見直す
長年同じプランを利用している場合は、 現在の工場の使い方に合っているか確認しましょう。 設備の増減、操業時間、休日の変化も、 契約を見直すきっかけになります。
比較する際は、電力量料金の単価だけでなく、 基本料金、燃料費調整額、市場価格に連動する調整額、 契約期間や解約条件まで確認します。 料金の一部が固定されていても、 請求総額まで固定されるとは限りません。 [1]
確認するポイント
- 同じ使用量・使用時間帯の条件で比較しているか
- 調整額などを含めた年間の支払総額はどう変わるか
- 価格変動や契約終了時の条件を理解できているか
2.電力使用量と設備の稼働状況を見える化する
月々の請求額だけでは、どの設備で電気を使い、 どこに無駄があるのかまではわかりません。 使用量と稼働時間を整理し、改善すべき場所を探します。
まずは電力会社の使用量データや設備の運転記録から確認し、 必要に応じて設備別の計測を検討しましょう。 製造業の省エネでは、 使用状況の見える化と分析が出発点になります。 [2]
確認するポイント
- 夜間・休日など、生産していない時間にも 電気を多く使っていないか
- 空調、冷凍冷蔵設備、コンプレッサーなどの 運転時間は適切か
- 生産量が同程度なのに、使用電力量が増えていないか
3.同時稼働を調整し、ピーク電力を抑える
生産設備や空調を同じ時間帯に動かすと、 電力使用が集中することがあります。 生産工程に支障がない範囲で運転時間を調整し、 ピークを抑えられないか検討します。
実量制の契約では、30分ごとの平均使用電力の月間最大値である 「最大需要電力」が重要です。 東京電力エナジーパートナーの実量制では、 当月を含む過去1年間の最大需要電力をもとに 契約電力が決まります。 [3]
確認するポイント
- どの時間帯に電力使用が集中しているか
- 空調や生産設備の運転開始・運転時間を調整できるか
- デマンド監視などで、ピークの発生を把握できるか
4.空調・冷凍冷蔵設備の運用を見直す
冷暖房や冷凍冷蔵設備は、 設定だけでなく、熱の出入りにも着目しましょう。 例えば、冷凍冷蔵庫の扉が長時間開いていると、 外気が入り込んで冷却の負担が増えます。 [4]
確認するポイント
- 冷凍冷蔵庫の扉やシャッターを、 必要以上に開けていないか
- 空調の運転時間が、作業時間や使用エリアに合っているか
- フィルターや熱交換器などの点検・清掃が、 メーカーの推奨どおり行われているか
まずは開閉時間や運転時間など、 現場で確認できる項目から見直します。 温度設定の変更は、製品品質・食品衛生・作業者の安全に 影響しないことを確認したうえで検討してください。
5.コンプレッサーのエア漏れ・不要運転を減らす
圧縮空気をつくるコンプレッサーは、 配管や接続部から空気が漏れていると、 その分を補うために余計な運転が必要になります。 エア漏れの確認は、見落としやすい省エネ対策の一つです。 [5]
確認するポイント
- 配管、ホース、接続部などにエア漏れがないか
- 生産していない時間も、必要なく運転していないか
- 使っていない設備への空気供給を続けていないか
点検結果をもとに、補修や運転時間の見直しを検討します。 圧力設定や制御の変更は、製造工程への影響を確認し、 設備担当者や専門業者と進めましょう。
6.照明のLED化と点灯時間を見直す
従来の照明が残っている場所では、 LED照明への更新を検討できます。 すでにLED化している場合も、 点灯時間や使用エリアに合わせた制御に 改善の余地がないか確認しましょう。 [6]
確認するポイント
- 使っていないエリアでも、 照明がついたままになっていないか
- 作業場所ごとに、必要な範囲だけ点灯できるか
- 人感センサーやタイマー、 明るさに応じた調光を活用できるか
照明は、作業の見やすさや検品精度にも関わります。 必要な明るさを維持し、 非常灯や誘導灯などの役割にも配慮して計画してください。
7.高効率設備への更新を検討する
運用改善だけでは効果が限られる場合は、 空調、モーター、ポンプ、コンプレッサーなどの更新を検討します。 購入価格だけでなく、 工事費・維持管理費・更新後の電気代も含めて判断しましょう。
ただし、高効率な設備へ替えるだけで、 必ず省エネになるわけではありません。 例えば高効率モーターは、回転速度や設備側の条件によって、 導入後に流量などの調整が必要になる場合があります。 [7]
確認するポイント
- 必要な能力に対して、設備の容量が大きすぎないか
- 実際の稼働時間・負荷で、 どの程度の省エネ効果を見込めるか
- 工事による停止期間、維持管理費、 投資回収期間は妥当か
改善後は「電気代」と「使用量」を分けて確認
対策を実施したら、電気料金だけでなく、 使用電力量・最大需要電力・生産量も記録しましょう。 生産量が減ったことで電気の使用量が減った場合と、 設備や運用の改善によって減った場合を区別するためです。
例えば、製品1個あたりの使用電力量なども確認すると、 生産量の違いを踏まえて改善の状況を見やすくなります。 ただし、製品構成や気温、稼働日数などの条件も 合わせて確認する必要があります。 [8]
千葉県の導入事例|ハッコー食品様の電力契約見直し
株式会社脱炭素計画の導入事例では、 千葉市のハッコー食品株式会社様による 電力会社の切り替えを紹介しています。
掲載インタビューでは、約10%のコスト削減や、 価格変動に対する考え方が語られています。 検討のきっかけ、選定理由、切り替え後の変化を 知りたい方は、参考にしてください。
※掲載事例は個別の企業様の結果です。 同じ削減率や効果を保証するものではありません。 比較期間、使用量、料金条件によって結果は異なります。
よくある質問
設備投資をしなくても、電気代を見直せますか?
契約条件の比較、不要な運転の確認、 点灯時間や設備の運転時間の見直しなど、 設備更新の前に検討できる対策があります。 削減の余地は工場ごとに異なるため、 まず現状を確認しましょう。
電力会社を変更すれば、必ず安くなりますか?
必ず安くなるとは限りません。 使用量、時間帯、調整額、契約期間、解約条件などを確認し、 同じ条件で総支払額を比較することが重要です。
相談する際は、何を用意すればよいですか?
電気料金の明細、現在の契約プラン、主な設備、 操業時間などがわかると確認を進めやすくなります。 最初からすべてをそろえる必要はありません。 まずは現在のお悩みをお聞かせください。
まとめ|無理な節電ではなく、無駄の見直しから
工場の電気代削減では、契約条件の比較と、 設備の使い方の改善を分けて考えることが大切です。 すべての設備を一度に更新するのではなく、 現状を確認し、取り組みやすい対策から進めましょう。
脱炭素経営の基本から確認したい方は、 「脱炭素経営とは?」の解説記事 もご覧ください。
千葉県内の工場・中小企業の皆さまへ
工場の電気代、
削減の可能性を確認しませんか?
「今の契約が合っているかわからない」 「まずは話を聞いてみたい」という段階でも、 お気軽にご相談ください。 現在の契約や使用状況をお伺いし、 見直しの方向性をご案内します。
無料診断フォームの「電気料金削減診断」をお選びください。 具体的な削減額の試算には、 使用量や契約内容などの確認が必要です。
参考情報
本記事は、以下の公表資料を参考に作成しています。 契約内容・設備仕様により適用条件は異なります。 設備の点検・改修や設定変更は、 担当者・専門業者に確認のうえ実施してください。
- 東京電力エナジーパートナー 「燃料費調整制度・市場価格調整制度とは」
- 中小機構 J-Net21 「主に製造業の省エネ対応策について教えてください。」
- 東京電力エナジーパートナー 「契約電力の決定方法(実量制)」
- 中小機構 J-Net21 「冷凍・冷蔵(倉)庫扉に対する外気侵入防止策は?」
- 中小機構 J-Net21 「圧縮空気漏れ対策の省エネ効果は?」
- 中小機構 J-Net21 「照明制御について教えてください。」
- 中小機構 J-Net21 「トップランナーモータへの変更による省エネとは」
- 中小機構 J-Net21 「エネルギー消費原単位と省エネの関係は?」
参考情報確認日:2026年10月26日


